- コロナウイルスの濃厚接触者にあたる場合は、保健所にまずご相談ください。
- 濃厚接触者ではない場合、当院で対応させていただきます。
- 当院では、抗体検査を実施しています。
インフルエンザAI診断 nodoca
当院では、nodocaという画像や体温、症状からAIが解析することでインフルエンザの有無を判定する検査機器を導入しています。痛みも少なく、短時間で結果が出ますので小さなお子様でも使用しやすいかと思います。検査結果も患者様にお見せしながら説明できますので、お子様の体調が心配の親御様にとってもお勧めの検査となっています。
※6歳以上かつ大きく口を10秒程度開けていられる方を対象で医師が必要と判断した場合nodocaで検査を実施します。
使用に関しては下記URLに基づいて使用してまいります。
https://publication.data-anonymization.jp/1415110606/information.pdf
こどもの繰り返す発熱
こどもは免疫が未熟であり、大人と比べると熱を出すことがよくあります。ほとんどは緊急な対応が必要ではない発熱ですので焦らずに状態を確認してください。また、なかなか泣き止まない際にも状態をしっかりチェックすることが重要です。
こどもの発熱チェックポイント
受診が必要な状況をチェックポイントとしてまとめています。下記のチェックポイントにひとつでもあてはまる場合には、速やかに受診してください。
- 生後3か月未満で38℃以上の発熱がある
- 発熱にけいれん、呼吸困難を伴う
- 発熱して元気がない
- 食欲がない
- 夜も眠れていない
- おしっこの回数や量が少ない
- 夜になっても眠れない日が続く
判断がつかない、条件にはあてはまらないけれど不安が残るといった場合も、お気軽に受診してください。病気の早期発見や治療だけでなく、保護者の方の不安を解消し、安心していただくのも重要な小児科専門医の仕事です。周囲の方の気持ちが安定していればこどもも安心できます。気になることがありましたら、些細なことでも遠慮なくご質問ください。
こどもが熱を出す原因
こどもは免疫がまだ弱く、成長とともに免疫も発達していきます。免疫が発達した大人であれば問題のない細菌やウイルスであっても、免疫が未発達なこどもは排除できずに発熱してしまいます。こうしたことを繰り返して免疫が訓練され、発達していきます。
発熱を起こす主な病気
こどもの発熱では風邪や中耳炎が原因となっていることも多いのですが、他にも多くの原因疾患が存在します。原因によっては早急に適切な対処を行う必要もありますので、原因を確かめることが重要です。下記、こどもが発熱を起こす主な病気になります。
- 突発性発疹
- 気管支炎
- 肺炎
- 中耳炎
- プール熱(咽頭結膜炎)
- ヘルパンギーナ
- 手足口病
- 溶連菌感染症
- 尿路感染症
- 腎炎
- 川﨑病
- インフルエンザ
- 麻しん(はしか)
- 風疹水痘(水ぼうそう)
など
家庭で行う対処法
水分補給
発熱がある際に最も重要な対策は水分補給です。発熱があると、呼吸が激しくなり、汗をかいて身体の水分が失われます。こまめに水分を補給することで脱水を防ぐことが重要です。与える水分は、湯冷まし、スポーツドリンク、経口補水液などが適しています。
消化しやすい食事
おかゆ、煮込んだうどんなど、消化しやすいものを食べさせてください。刺激物は避けましょう。食事が無理な場合には、りんご、バナナ、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルトなどでも大丈夫です。
暑すぎない温度管理
寒気がある場合は身体を温める必要がありますが、厚着や布団で過度に熱がこもらないよう注意してください。寒さを訴える場合、手足や肩をしっかり温めることが効果的です。
こどもの発熱でよくあるQ&A
熱が上がったり下がったりします。この場合も受診した方がいいですか?
人間の体温は一般的に早朝最も低くなり、夕方に最も高くなります。また、食事、運動、入浴などでも体温が上がります。発熱している際にもこうしたリズムや要因の影響を受けますので、朝は微熱でも夕方になると高熱になるといったことが起こりやすくなります。また、発熱を起こす炎症は、副腎皮質ホルモンによって抑制されます。朝は副腎皮質ホルモンの分泌が多く、そこから分泌が減っていきますので夕方以降になると熱が上がりやすくなります。
こども、特に乳幼児は体温調整機能が未熟で環境の影響を受けやすい傾向があり、厚着しただけで体温が上がってしまうなど、特に問題がなくても大きく変動することもあります。さらに、大人に比べるとこどもは体温が高めです。毎日、朝昼晩など時間やタイミングを決めて体温を測って記録しておくと平熱の変動パターンを把握でき、問題があった際に発見しやすくなります。
発熱があっても、しばらく様子をみてもいいケースがあります。熱があった場合も、機嫌がいい・食欲があり水分もしっかりとれている・おしっこの量や回数が普段と変わらない・呼びかけに対する反応が普段通り・おもちゃで遊ぶ・周囲に興味を示す場合などがみられる場合です。ただし、こうした場合でも、心配な場合にはお気軽にご相談ください。
発熱している際の入浴はどうしたらいいですか?
入浴は体力を消耗します。38.5℃以上ある場合や、それ以下でもぐったりしている際には入浴を控えてください、もしくはシャワー浴で短時間にとどめておきましょう。熱があっても元気で機嫌がいい場合には、短時間の入浴でしたら可能です。ただし、熱いお湯や長湯は厳禁であり、ぬるめのお湯で数分程度の入浴が適当です。入浴前にしっかり水分補給を行い、入浴後はすぐに拭いて服を着せ、湯冷めしないようにしますが、暑ければ汗をかいてしまいます。室温や布団などで調整してください。
熱が出た際に受診が必要な目安はありますか?
下記のような症状がある場合は、速やかに受診してください。
- 風邪(上気道炎)
- 突発性発疹
- 気管支炎
- 肺炎
- 中耳炎
- プール熱(咽頭結膜炎)
- 手足口病
- 溶連菌感染症
- 尿路感染症
- 腎炎
- 川﨑病
- インフルエンザ
- 麻しん(はしか)
- 風疹水痘(水ぼうそう)
など
また、保護者の方が肌で感じた異変が病気の早期発見につながることもあります。上記のような症状がなくても「おかしい」「普段と違う」と不安を感じた場合にはお気軽にご相談ください。
感染症でなぜ体温が上がるのですか?
細菌やウイルスなどの病原体が体内に入ると、免疫細胞が反応します。免疫機能は高い体温の場合に働きが向上しますので、体温調節中枢が体温を上げるよう指令を出します。それを受けて筋肉が震えて体内の熱産生量が増え、汗が減り、手足の末梢血管が収縮して熱の放散を減らして体温が上がります。寒気がする、身体は熱く手足が冷たくなるのはこうしたメカニズムが働いている証拠です。ウイルスは高温の環境では増殖しにくい性質がありますので、高温は免疫にとって有利であり、ウイルスによっては不利な環境なのです。
高熱が脳に影響してしまうことはありますか?
高熱は、通常の発熱と熱中症などで起こるうつ熱に分けられます。発熱は脳にある体温調節中枢が必要に応じて体温を上昇させている状態です。脳の指令によって熱がコントロールされているため、脳などにダメージを及ぼす42℃以上になることはありません。うつ熱は体温の放散がうまくできなくなっている状態で、熱中症などによって生じます。うつ熱は、脳が体温のコントロールをできない状態であり、42℃を超えて脳障害や死に至る可能性があります。なお、発熱の場合も脳に細菌やウイルスが入り込んで脳炎や脳症を発症すると、脳に障害を起こす可能性があります。
熱は解熱剤で下げた方がいいですか?
水分摂取ができない、機嫌が悪く眠れないなどがある際に、医師が処方した解熱剤を服用してください。一般的に38.5℃以上の熱があったら解熱剤使用を検討すると考える方が多いのですが、39~40℃でも解熱剤を積極的に使わなければならないということではありません。体温が高ければそれだけ免疫機能が働きやすくなり、動くのがつらいことから無理をせずに休息をとることができます。解熱してしまうと無理をしてかえってゆっくり休めないこともあります。ただし、熱や体調不良でよく眠れない、しっかり水分補給ができない場合には解熱剤を使うようにしてください。
熱が出て手足が震えているのはけいれんですか?
けいれんは、意識がない・呼びかけても反応が薄い・視線が合わない状態であり、緊急受診が必要になることもあります。一方、発熱によるけいれんでは、一時的な意識障害になります。震えやびくつきは悪寒でも起こります。呼びかけに反応する、視線が合う場合は悪寒の可能性が高い状態です。意識がしっかりしていて震えがある場合は、手足や肩がしっかり温まるようにして様子をみてください。手足の先も十分温まり悪寒が消え、熱が上がりきったら暑くなりすぎないよう布団などを調整し、汗をかいていたら汗を拭いて乾いた衣類に着替えさせましょう。
熱が出た場合、抗菌薬を飲めば効きますか?
ほとんどの風邪はウイルス感染によって生じており、抗菌薬は細菌には効きますがウイルスには効果がありません。また、抗菌薬は服用回数が増えれば耐性がついて効果が落ち、さらに腸内細菌を殺菌してしまい腸内フローラが乱されてしまいます。抗生剤は適切な使用によって大きな効果を得られますが、必要がない場合に使用するのはリスクの高い行為です。当院では、検査結果や年齢、症状、問診などの内容を総合的に判断して必要な場合に抗菌薬を処方しています。
熱があってインフルエンザの可能性がある場合、検査をすぐに受けた方がいいですか?
インフルエンザの感染検査で正確な診断をするためには、37.5℃以上の発熱があってから12~24時間以上経過している必要があります。高熱があって早めに受診するのは、適切な治療につなげるために役立ちますが、インフルエンザ検査が必要というわけではありません。特に3歳くらいまではインフルエンザではない可能性が高くなっています。周囲でインフルエンザが流行しているなどのケースを除き、インフルエンザ検査は発熱してから24時間後あたりを目安に受けることをお勧めしています。